ザ・チェディクラブ・アット・タナガジャ
バリ島2軒目のお宿は内陸部ウブド近郊にある、ザ・チェディクラブ・アット・タナガジャ。毎日90分のスパサービスが付くというスパヴィラに4泊しました。母には初めてのバリ島でもあるので、是非とも自然に寄り添ったヴィラタイプの宿に泊まってもらおうと思ったのです。バリ島のヴィラの多くは、渓谷などの斜面に面して建てられていることが多く、このチェディクラブのような階段や高低差の少ないヴィラは少数派なのです。 今回このチェディクラブを選ぶ決め手となったのは、ネットで見つけた旅行会社さんの口コミに寄せられていたコメントでした。車椅子使用のお母さまとともに宿泊された女性が書かれたそのコメントには、車椅子関連の情報が乏しいなかで、たいそう勇気づけられました。 駐車スペースから見たホテルのエントランス。 ホテルの門というよりお屋敷の入口風ですね。 写真のこの階段の長さがこのホテルでは最長のものです。 事前に、バリ王さんを通じて 「この階段を使わずに入場できませんか?」と お願いしていたこともあって 実際は、こことは別の ロビー近くの従業員用ゲートから 段差なし入場することができました。 本来なら入ってすぐに この親指を立てた象がお出迎えしてくれます。 象の後ろにロビーが見えます。 このホテルでは部屋ごとにバトラーが付き 身の回りのことすべての面倒を見てくれます。 ホテル外のレストランや舞踊公演の予約、 送迎の手配など、 よほどのことで無い限り わがままを言ってお願いするが勝ち という感じです。 うちでも下痢で寝込んでしまった母のために おかゆを部屋まで運んでいただいたり 薬の買い出しのため スーパーに連れて行っていただいたりしました。 ただ、 日本語はほぼ100%通じません。 スタッフの言語は、すべて英語で、と 教育されているのか 挨拶もすべて英語に統一されています。 ブロークンな日常英語で なんとか乗り切ることはできても さすがに料理の用語や病名などが とっさにでてくるわけではないので ホテル内はWi-Fiフリーということもあり スマホに翻訳や辞書アプリを忍ばせて ひとつひとつ応対していた、という感じです。 しっかりバリアフリー、に見えますが 場内をバギーが行き交うので これはそのためのスロープです。 通路には広い狭いがあって 私たちのヴィラには バギーの横付けはできませんでしたが 狭い方の通路でも車椅子走行は可能です。 私たちが滞在したスパヴィラ。 ロビーのすぐ隣でした。 ヴィラはこの他に、 周囲を塀に囲われて専用プールがある プールヴィラもありますが スパヴィラの周りに塀はありません。 なるべく自然に寄り添う、が 今回の旅テーマなので 開放的なこちらのタイプを希望したのでした。 通路、階段ともコンクリートに川石を混ぜて 成形した「洗い出し」です。 雨の時には少々滑るので注意が必要です。 到着すぐの母。 窓からの景色はいい感じ。 そのかわり外からも丸見えです。 うちはそのあたり あまり気にしない家風なので 日中ブラインドは全開です。 高所の上り下りの難しい母用に 低めのソファにベッドを しつらえていただきました。 テーブルの位置や家具の位置など 車椅子走行用に便利なように こちらでいくらか移動しました。 当初の計画では、 母にはこのダブルベッドに どんと寝ていただこうということに なっていたのですが かなり高めのベッドだったため 結局上れず断念することに。 かめに貯めたお湯を ヤシ製のひしゃくを使って浴びる、 沐浴スタイルがお洒落です。 天井とバスタブ脇には シャワーもちゃんとあります。 傍らには リクエスト通りにご用意くださった シャワー用の椅子が。 スパ後の体にはオイルが残っているので 入浴時の滑り事故に注意する必要があります。 トイレに手摺りはありませんが 母は壁伝いに移動して 問題なく使えていたようです。 脇にはお清め用のハンドシャワーが。 このシャワーは バリ島ではレストランなどのトイレにも まずは設置されているもので お湯はさすがに出ませんが 手動で安心、確実。 家にひとつ欲しくなりました。 スパヴィラには専用スパルームが付いています。 毎日ここで90分のスパが 受けられる設定になっていて、 バトラーさんが毎朝タイミングを見計らって 「今日はどうしますか?」と 希望のマッサージ種類や時間を聞きにやってきます。 母も2度ほどお世話になりました。 他にもサウナや水風呂まであって 至れり尽くせりです。 白人のカップルが通り過ぎます。 到着直後なのか装いがリゾートらしくありません。 ちょっと格好付けてのハネムーンは こちらにも覚えがあるので、 しばし自身の思い出に浸りました。 このホテルは サービスこそ欧米スタイルですが 和モダンに通じるミニマムなたたずまいが むしろ日本人好みなのではないかと思います。 滞在最初の2日間ほどは 富豪の別荘に客人として招かれて 「どうぞご自由におくつろぎください」 と、放り出された時のような 座りの悪い気分に支配されますが 2泊を過ぎたあたりからは いつの間にかそれも克服できて たいそう居心地がよくなります。 たぶんチェックアウトの時には 「こんどこそは」などと思うに違いなく、 このホテルの宿泊客のリピート率の高さは もしかするとそのあたりの事情に 関係しているのかもしれません。 ヴィラ前の傘が開いているのが お客の入っている印です。 周囲を散策時にそのあたりを注意して 観察してみましたが どこもすべて傘が開いていました。 ここの人気ぶりがうかがえます。 夕刻はこのあたりも幾分しのぎやすく いつも入口を開け放していましたが こんなにも開放的なヴィラはうちだけでした。 都会人が忘れてしまった 深い闇があるからこそ楽しめる 夜間のライトアップ。 ウブドの夜はどこをとっても深く暗く それが魅力的なのだと思います。 早朝、夕刻の鳥の鳴き声がいい感じ。 このあたりは山間部ではないので 南国らしい小鳥のさえずりは控え目なのですが そのかわりに、白鷺なのか野鳩なのか 遠くからかすかに聞こえる「クルークルー」 という群鳴がなんとも郷愁を誘います。 ヴィラからレストランへ。 車椅子利用の場合は バギーでは道が限られるので バトラーに声掛けをして 押して連れて行っていただくのがベスト。 このホテルも「広い敷地〜」と よく紹介されていますが 一番遠いヴィラ(うち)からでも 敷地端っこのレストランまで 5分と掛からず到着です。 敷地端っこのレストラン。 とはいえ 向こうに広がる田んぼも ホテルの敷地だそうです。 レストラン入口に階段がありますが 車椅子の場合は、 厨房脇を抜ける特別ルートで 段差無く案内していただけます。 朝食はビュッフェスタイルではありません。 そのぶんすべてにおいて 細かなわがままアレンジに 応じていただけます。 朝食はバリニーズかコンチネンタル。 これはコンチネンタルスタイルです。 今の日本ではなかなか味わえない 素直なお味の卵がおいしいです。 パンにつけるジャムは 左から、スイカ、バナナ、マンゴーです。 見る位置を変えれば 広い田んぼの中にポツンとある レストランのように見えますね。 周囲の田んぼ風景。 田んぼにヤシの木がいい感じ。 事前にバトラーに頼んでおけば 朝の田んぼトレッキングツアーを 組んでいただけます。 日本の田んぼにくらべ いくぶん繊細なあぜ。 幅が50センチもありません。 上を歩くと崩れてしまうでしょう。 田んぼ脇のホテル施設は 向かって左がヨガスタジオ、右がスパです。 田んぼを見ながらの 早朝ヨガスクールは無料で参加できます。 毎朝、クバヤ姿でやって来る、 お供えのおばちゃん。 黒鳥、白鳥のいる池のほとりには 東屋があり、いつでも ゆっくりすることができますが、 ゆっくりしている人を見たことはありません。 手前にある小さな池には 1メートルほどの水トカゲ(アルー)が 棲息していました。 東屋への段差はこんな感じです。 プールはたいていすいています。 午後4時から6時までは アフタヌーンティータイム(もちろん無料)。 デッキチェアまで プチケーキといっしょに運んできてくれます。 プール周りに手摺りはないので 人頼みでない限り、車椅子利用者のプール使用は ちょっと難しいかもしれません。 プールサイドまでなら4段ほどの階段をクリアすれば たどり着けます。 このホテルでは お願いすれば お部屋やプールサイドで 食事をとることができます。 食事はレストランから運ばれてきます。 介添え付き車椅子で行くバリ旅行の記録 その4に続く。
by pechkana
| 2013-01-25 03:21
| 旅
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