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毎年の来客
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 毎年、梅雨入りの知らせを聞く頃にカエルたちはやって来る。郊外とはいえ住宅街の中にある我が家の庭の、それも50センチばかりの小さな睡蓮鉢に、なにゆえにカエルがやって来るのかは定かでないけれど、ともかく10年以上は続いている我が家の夏の風物詩だ。
 そして今年もやって来た。今年は3匹、もしかするとまだ増えるかもしれない。昨年は5匹来て睡蓮鉢が人気の露天風呂みたいになった。種類はたぶんトノサマガエル。おそらくここから一番近い田んぼから来るのだろう。
 庭の前の道を超えてお向かいさんを突っ切って裏の丘を少し登ってそこから数十メートル林の急斜面を下ると、たしかに田んぼはある。ここからくだんの田んぼまで徒歩で行く適当な道はなく、車利用でぐるりと迂回してさらに田んぼのあぜ道を歩くことになるので、たっぷり30分の距離だが、汚れるに任せて斜面を駆け下りれば、5分ほどで着いてしまうかもしれない。家の前の道は袋小路なので交通量もほとんどなく、カエルにとっては比較的安全に移動できる環境ではあるから、人気スポットたる理由にはなんとなく頷けるが、問題は毎年同じカエルではなさそうだ、ということ。大きいときもあれば小さいときもある。まさかカエル同士、たとえば親子間で、聞き合わせているわけでもあるまいし、まさに生物の不思議。
 6月にやって来たカエルたちは、夏の間じゅうをここで暮らし、害虫のバッタを食べてくれるので、たいへん重宝している。そして秋の虫たちがにぎやかに鳴く頃、いつのまにかいなくなる。滞在中は特に鳴くこともないので、水の入ったばかりの田んぼで生殖というお役目をさっさと済ませたのち、水枯れ後の居場所として、ここにやって来るのだろうと推測している。

by pechkana | 2012-06-27 02:47 | 日々の暮らし | Comments(0)
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