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介添え付き車椅子で行くバリ旅行の記録 その2
ジェンガラケラミック

 ヌサドゥアのグランドハイアットバリに宿泊中に、母を連れてガイド付き専用車で、ジンバランのジェンガラケラミックに陶器を見に行きました。アウトレットではなくファクトリーショップのほうです。ショップ入り口に少しの段差がありましたが、それをやり過ごすと店内に段差はなく車椅子でも安心して回れる広さもあります。期待して訪れたショップだったのですが、家族3人すべてどちらかというと渋め陶器好きだったので、結局、何も買わずに店を出ました。この日ガイドをお願いした時間は4時間。ずいぶん時間が余ったので、どこか車椅子で行けるところはありますか、とガイドさんに聞くと、速攻帰ってきた答えが「ジンバランのシーフード」。いやいやさっきホテルでお昼を食べたばかりだから、と他に観光地などと聞いてみるも「ウルワツは階段あるしね」などと、結局いい案も出ず、とりあえずバリ・コレクションまで送ってよ、ということになる。



バリ・コレクション
 
 バリ・コレクションはヌサドゥアエリアでは一番の大きなショッピングエリアで、中には日本の「そごう」も入っています。グランドハイアットの隣に位置しているので、帰りは徒歩で、とゲートでガイドさんと別れ、エリア内へ。オープンエアーの通りの両側にいろいろなショップが並ぶ素敵なつくりなのはよいのですが、とにかく暑い。雨期のバリは日本の夏以上に湿気が多く、不快指数は高めです。店内といえども日本のように、一息つけるような涼しさでもないそれなりのぬるい気温で、じくじくとこちらの散策する気力も削がれていきます。そんななかでも母はなぜかとても元気で、アクセサリーが見たい、サンダルが欲しい、などとショッピングモード全開。どこのお店に入るのにも多少の段差は必ずある中、一番段差の少なそうな物産店を見つけて、車椅子にてショッピング。サーファーのおにいちゃんがはめるような銀製品の指輪を幾つも購入したのでした。
 あとせっかくだからと「そごう」も散策。「そごう」はこのエリア内でも一番大きなワンフロアの店舗で、入り口に少しの段差があるものの、店内はルートを選べば段差もなく、スムーズにショッピングを楽しむことができます。ファッション小物に軽衣料、石鹸や香水などの物産も扱っています。母はここで念願のサンダルを購入。バリ人の店員さんが根気強くサイズ出しをしてくださいました。入り口付近にはこのエリアではたぶん唯一、エアコンの効いた店内でお茶が楽しめるお店「スタバ」がありましたが、はやくホテルに戻ってゆっくりしたい、ということでスルー、帰途についたのでした。
 時間はまだ4時過ぎ、夕食には早い時間です。グランドハイアットに通じるゲート付近にはレストランが数軒あり、その中のひとつ「ロコカフェ」のおにいちゃんが、ディスカウントするから食べていってよ、と声をかけてきました。サービス料20%とあとさらに20%、40%値引きするよ、と。メニューを見せてもらうと、ホテルにくらべずいぶん安い魅力的なお値段です。というよりホテルのレストランが高すぎるのです。ビュッフェの夕食でだいたいひとり頭5~6千円(円換算で)はかかるので、その提案はとても美味しいものだったのですが、悲しいかな少しもおなかが空いてない現状。あとで来るよ、とその場を後にしましたが、結局、再度訪れることはありませんでした。



バリ・コレクションからグランドハイアットへ
 
 バリ・コレクションの南側、「ロコカフェ」すぐのゲートから、そう広くもない道路2本を渡ると、もうそこにはグランドハイアットのゲートがあります。道路とホテルゲートからエントランス間は、コンクリートブロック敷きで、少々がたつきますが、車椅子を押しておよそ7、8分くらいの距離です。ゲートからエントランスまでは、少々上り坂ですが、車椅子が押せないほどではありません。ただ、もしこれで母が歩けていたら、楽だったかというと、さてどうだったでしょうか。これはホテル内も含めて言えることですが、老いた者の手助けをして若い者が車椅子を押す「力の分散」があるからこそ、楽に移動ができる、ということが言えるかもしれません。だから足腰が立つ老齢者でも、少々の不便は覚悟して、若者頼みで車椅子移動するほうが、なにかと動きがとりやすいのでは、と今回の旅でそんなことを考えさせられました。



グランドハイアットを後にして、いざ郊外観光へ

 車椅子で行けるバリの郊外観光。出発前からずいぶん計画を練りました。以前行ったことのあるブサキ寺院は階段が多くて無理。景観の素敵なタナロット寺院やウルワツ寺院も階段が多くて無理。キンタマーニ高原は遠いわりには見せ場が乏しそう。そんなわけで事前のネットリサーチの結果、タマンアユン寺院とジャティルイの棚田観光がよいのでは、と妻とも意見が一致。ヌサドゥアから次の宿泊地ウブドへの移動ついでに、6時間の専用車観光を組み入れたわけですが、当日現地ガイドさんはどうものらない様子です。ジャティルイ食べるとこないよ、とか行くまで3時間は掛かりますとか、こちらのネット情報を尻目にネガティブ発言を連発します。ふつうの感覚ならここまで言われると、じゃあ他で、などとなるのでしょうか、私たちは粘りました。結局、ガイドさんが折れるかたちで郊外観光へ出発です。



タマンアユン寺院

 バリ島で二つ目に大きな寺院にして最も美しいと言われている寺院です。24年前には境内に入ることができていましたが、現在は境内の周りを塀越しに眺める観光スタイルです。せっかくバリに来たのだから、母にもひとつくらいは寺院観光をと計画したのですが、少々甘かったようです。



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駐車場すぐの割り門から寺院まで
距離はさほどありません。
段差もなくここまでは楽勝でした。




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寺院正門。
中にはもちろん入れません。
見学者は左右のルートに別れて
外堀と寺院の間の回廊を一周することになります。
まずここに3段ほど登って降りる階段が
あります。




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階段をなんとかクリアして
回廊へアプローチ。
寺院に限らずバリ島の階段には
「手摺り」という概念がそもそも無いようで
ほんの数段でも手摺りなしの階段は
冷や汗ものです。




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回廊にまた階段。
一段一段が高めなので
また冷や汗。




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回廊サイド側から後方回廊へ。
また階段。
今度の階段は一段がかなりの高さ。
試みてみましたが、結局
登ることができませんでした。




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寺院の周りを一周すると
御利益がある、と聞いていたのですが
結局果たせず、戻りつつも寺院の中を
垣間見る親子。
母には無理をさせてしまいました。
車椅子から中の様子はほとんど見えないはずで
この寺院はスルーするべきでした。
現地の寺院に雰囲気にふれるのであれば
もっと小さな、たとえば街中の寺院など
融通の利きそうなところを
ガイドさんに教えてもらって
連れて行ってもらったほうが
良かったのかもしれません。
このあと、寺院前の
集会所裏のトイレに立ち寄り
ここを後にしました。
ちなみにトイレ入り口に少々
段差がありましたが
トイレまでは車椅子移動は可能でした。




ジャティルイ観光

 今回訪れたタマンアユン寺院などとともに、2012年にユネスコの世界遺産に選ばれたジャティルイ地区は、この選定を期にずいぶんクローズアップされた様子ですが、日本からの観光客はまだまだ少ないマイナーな観光地です。今回の現地ガイドさんも生涯にまだ2回しか行ったことが無いとのことで、「とにかく行ってみないとわからない感」を全身で醸し出していて、なんとも心許ない感じですが、こちらの探検気分はむしろ加速の一途。なんだか楽しそうです。タマンアユン寺院を出るときに、これから2時間は掛かります、とガイドさんは言い放ちましたが、結局1時間と少しで着くことができました。とかくあて推量の多いネット情報ですが、今回はネット情報側に軍配が上がる結果となりました。
 タマンアユン寺院のあるムングゥイから一旦南下してから北のジャティルイを目指します。適当な道が無いのでずいぶん遠回りになるとのこと。ジャティルイ地区のあるタバナン県は養鶏が盛んで、道すがら養鶏場がたくさんあり、タマゴパックをこれでもかと器用に満載したバイクを時折抜かしながらの道程。村の入り口に割り門があるような昔ながらの集落を幾つか通過し、いよいよジャティルイです。
 何となく、このあたりがそろそろジャティルイ?、ってあたりで大粒の雨が。はなはだ怪しい雲行きのなかそのまま進むとすぐに「Jatiluwih259」のカフェらしき看板。ガイドさんはここでお昼をと提案しますが、景色がちょっとイマイチな感じ、時間はあるのだからもっと先に進んでみましょうよ、とこちらもさらに粘りをみせます。そこからさらに丘陵をひとつ越えたあたりで、急に視界が開け、見渡す限りの棚田群が現れました。折からの雨も止み、晴れ間さえ垣間見えてきて、とてもラッキーな私たち。食べるとこないよ、とガイドさんは言っていたけれど、あたりにはカフェやワルン(食堂)がいくつも立ち並んでいました。



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とにかく広いジャティルイの棚田群。
田植え直後だったため、
思い描いていた
ふさふさ緑の棚田では
無かったけれど
田んぼひとつひとつの
ディティールが際だっていて
なかなか興味深い風景です。




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ジャティルイ、ビューポイントの
渋い看板。




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ビューポイント前の「BiLLY’s TERRACE」
にて昼食をとる。
正面、入口までの長い長い階段にビビッていると
この裏に楽に入れる入口があるよ、とのこと。
くるっと回って裏口には小さな駐車スペースがあり
母は床面の苔に気をつけながら
杖を使って数段の段差をやり過ごし席に着く。
ここでも店員さんが
親切にサポートしてくださいました。
ここには
ある程度清潔なトイレがありますが、
数段の段差を越えてのアプローチになります。
ここに着くまでちょっと浮かない様子の現地ガイドさんも
お店の人となにやら談合成立なのか
「またお客さん連れてくるね」風笑顔で上機嫌です。




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ぐんぐん棚田の中へ進入していく
観光客ですが(私たち夫婦も)
みなさん節度ある行動を心がけている様子で
とてもお行儀よしです。
ウブド近郊のテガラランには
観光客相手の物売りが多いとのことですが
こちらではひとりも見かけません。
観光客は圧倒的に白人が多く
日本人の姿もちらほら。
雨期の中の晴れ間に
ラッキーを噛みしめているのか
皆さん一様に笑顔です。




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今回ここが世界遺産に選ばれた理由の一つが
「スバック」と呼ばれる昔から続く
組合機構による水利システムで
1000年前にはすでに
かたちになっていたとのこと。
山からの水を
ポンプを使わずこれだけの棚田すべてに
まんべんなく行き渡らせているといいます。
なんとも興味深いです。




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田植え直後の稲。
このあたりは赤米が多いとのことですが
これは何米でしょうか。
すべてがオーガニックだとのこと。
田植えも稲刈りもすべて人力で行うそうです。




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お店にいたバリ猫ちゃん。
ピンクのお鼻が愛くるしいです。
後ろ足がちょこっとキックモードなのも
猫好きにはたまりません。




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ビュッフェスタイルのお昼ごはん。
お味はまずまず。
ジュース類もそれなりに美味しい。
3人分で飲み物含めて5千円弱(日本円換算)は
いろんな意味で一等地価格、だといえます。




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ごきげんVサインの母。
このあたりは高地なのか
バリに来て初めて、
心地よい涼しさを
感じることができました。



介添え付き車椅子で行くバリ旅行の記録 その3に続く。
by pechkana | 2013-01-23 07:39 |
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