レトロを愛する台湾
台湾では日本統治時代から今に残る建物がたくさん残っています。ただ残っていたというより、大事に残されてきたのです。新幹線の開通に伴い工事の続く台鉄、高雄駅の旧駅舎は取り壊されることなく、コマを付けて1ブロックほど慎重に移動、最終的には新駅舎の一部に組み込まれる計画で、展示館として解放されつつその時を待っている。台北に古くから残る煉瓦作りの酒造工場は、崋山1914文化創意産業園区として、雑貨などのお店やイベントスペースとして、若者文化の発信地としてお洒落に再生されています。台湾で人気の日本の観光地、北海道のたとえば小樽の煉瓦倉庫や函館、はたまたサッポロファクトリーあたりの事例を参考に、独自の観光地の創造に力を入れている、ということなのでしょうが、それにしても丁寧なお仕事で、そこには古き物への愛を十二分に感じます。また、特に観光地化されていない街中を散策しても、ときどき懐かしい情景に巡り会えるのも台湾の魅力のひとつで、小ネタの楽しみは尽きることがありません。 発売されたばかりの「steady 特別編集 大好き台湾」というムックの表紙、買ったお菓子を頬張る菊池亜希子ちゃんとともにフレームに収まっているのがこのお店。上の写真は数年前のもので、変わらず営業中ということで、ちょっとうれしくなりました。台北、迪化街にて。 ちなみにこのムック、台湾の観光、文化、グルメが非常にバランスよく紹介されていて、女子にはとにかくおすすめの一冊だと思います。 饒河街観光夜市の鳥占い。文鳥が運んできた短冊で占う、的なものでしょうね、きっと。この夜市は規模もほどよく、人気の「胡椒餅」も食べられちゃうのでおすすめです。台鉄、松山駅からもすぐなので、電車でアクセスチャレンジもよしです。 こんな年季の入った木造のお店も、けっこう残っていたりします。いい感じです。台北、迪化街にて。 台北郊外の人気観光地、九份のちょっと先、金瓜石は金山で栄えたところ。そこに旧神社跡を発見。残念ながら建物は戦後すぐに国民党により取り壊されたとのことです。博物館とともに今は旧日本人宿舎やトロッコの線路、坑道などが解放されていて、岩があちこちにゴツゴツと顔をのぞかせた風景もちょっと面白く、軽くトレッキング的コースとしても人気です。1990年代に日本でブレイクしたホウ・シャオシェン監督の映画「非情城市」や「童年往事 時の流れ」のロケ地としても有名です。 台北、西門にある西門紅楼。かつては劇場でしたが、今は若手デザイナーの工房ショップやイベントスペースになっていて、オープンカフェも併設されています。 街の落花生売りがなんとなく懐かしい感じ。とはいえ日本で落花生売りを見たことは無いのですが。 台北、迪化街のキャンディー屋さん。袋一杯につめていくら、的売り方です。他にもこのエリアには、ドライフルーツの量り売り屋さん(ブルーベリーやイチジクなど各種250グラムから販売)などもあって旧正月前には大変賑わうそうです。 何の変哲も無い街中の一コマですが。台北郊外、鴬歌にて。 台北から陶器の街、鴬歌に向かう途中の駅。駅員さんがホーム脇の植物を育てているのかな。 最近人気の散策エリア、台北、永康街。この街には名だたる小籠包の名店「鼎泰豐(ディンタイフォン)」本店以外にさしてメジャーな観光地があるわけではないのだけれど、人気のお茶屋さんや胡椒餅の本店(屋台)やら、レトロ雑貨を扱う昭和町市場など、私的には必須散策コースで、少し外れた所に、この旧日本人官舎跡なるものがあります。観光地ではないので、昼間に訪れてもひっそりとしていて、何軒かには人の住んでいる様子もあります。狭い通り一本分だけのほんの数軒分ですが、ここだけ文化財のように町並みが保存されているのが不思議です。そのうちに何かに生まれ変わるのかもしれません。
by pechkana
| 2013-06-18 18:52
| 旅
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