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私たちの大阪うまいもん その1
はり重のデミグラスソース

 道頓堀と御堂筋の角「はり重」はいわずと知れた大阪の名店です。牛肉専門店であり、すき焼きのお店としても有名ですが、ここでは客の事情に合わせて三つの飲食店を展開しています。二階に上がっての一人前1万円超覚悟のすき焼き専門店、道頓堀松竹座側にあるステーキなど2千円超メニュー中心のグリル、そして御堂筋に面した廉価なメニューのカレーショップです。地元ではどちらかというと高級なイメージを持たれている「はり重」ですが、隣接して一人前700円前後で食べられる洋食屋が同居しているところが、なんとも大阪らしいです。東京ではよく「この値段ならこんなもの」と価格で味の優劣を決める発言が聞かれますが、こと大阪に限っては、そのような考えは全く通用しません。「高いもん出すのが店の都合なら、安いもんを出すのも店の都合」あとは客がその時の諸事情に合わせてどうするか決めるだけで、それに向けてしっかり博打を打つのが商売というもの。そんな大阪の当たり前かつクールな思考への答えがこの店構えにはよく現れていますし、それでいて店の高級なイメージも崩れていないところが、大阪のよさといえばよさであります。
 そこで、ちゃっちゃと食事、ということであれば、ここでは迷わずカレーショップへ直行、ということになります。観光で訪れる方がよく店名につられてカレーを注文されるようですが、地元の者はまずカレーは注文しません。ここでの売りはなんといっても、デミグラスソース。デミグラスソースがかかっている料理はカツ類です。そのなかで、ここでの王道といえばやっぱり、ビーフカツ、大阪風にいえば「ビフカツ」でしょうか。ほかにもミンチカツやトンカツもありますが、このデミグラスソースがかかっている限り、もちろんどれも美味しいのです。




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もう堪らない旨さ。はり重のトンカツ

 酸っぱさ控えめにして少々甘め。ほんのり焦がしのビターさと、ほんの少しシナモンあたりの香辛料の風味が加わった絶妙バランスのデミグラスソース。私が初めてこのソースに出会ったのは、かれこれ30年も前のこと。新入社員として初出勤した日のランチで事務所の先輩がごちそうしてくださった「ビフカツ」。なんて美味しいものがこの世にはあるのか、なんだこのソースは! 掛け値なくそんな風に思ったのです。以来、自腹でビフカツは無理なので、ずっとトンカツにて今日に至っているわけですが、ちょっと脂っこい豚肉とソースのマッチングがこれまた絶妙で、今ではむしろビフカツよりトンカツ派、との考えにまとまっている次第。
 カツはトンカツ専門店に見られるような厚めのものではなく、揚げたときにぐにゃりと反ってしまうくらいの薄いものでありますが、その肉の薄さも含めて完成された逸品だと思っています。ライス付き。ちなみに妻はいつもミンチカツを注文します。ミンチカツはトンカツに比べ少しあっさり目の味わい。このあたりはお好み次第で、というところでしょうか。




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はり重名物、ビーフワン

 変なネーミングですが一般的にいうところの他人丼です。大阪では肉といえば牛肉。よって他人丼は街の食堂定番メニューのひとつに数えられます。さすが牛肉専門店だけあって、使われている牛肉は柔らかく、三つ葉との取り合わせが上品です。他人丼のお手本ともいえる美味しさを、機会があればぜひ味わっていただきたいものです。
 ちなみに、「はり重」のお店はあと2店が、心斎橋とアメリカ村にあります。ひとつは大丸百貨店内のイートイン、もうひとつが御堂筋沿いOPAと日航ホテルの間を西に入って2筋目の角にある大宝寺店2階のレストランです。落ち着いて食べるなら大宝寺店のレストランがお勧めです。メニュー名「トンカツ」が「ポークカツ」と道頓堀本店とは呼び名が違ったり、付け合わせがちょっと異なったり、お値段もほんの少し違ったりするようですが、メインのお味のほうは同じです。

by pechkana | 2014-01-01 06:32 | グルメ | Comments(0)
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